サプリメントは、スポーツのパフォーマンスを向上させるため、食事では取りきれない栄養を補うものとして有効な手段の1つです。
ところが近年、サプリメントによってドーピング検査で陽性になっている事例が後に立たないとのこと。
そして、アンチ・ドーピングのルール上、アスリートが自分の体に取り入れるものに関しては、全ての責任を自分自身で持たなければなりません。
選手生命がかかっているこのトピックでは、自己防衛が大切です。
アスリートに関わる全ての人の、ドーピングについての知識向上が必須です。
ドーピングとは
ドーピング(doping)は、英語のdopeに由来する動詞です。
競技において、運動能力を高める為に、禁止薬物を、運動選手や競走馬が使う不正をいいます。
オリンピックにおけるドーピング検査の実施は、1968年の冬季グルノーブル大会、夏季メキシコ大会より始まりました。
ドーピング の歴史
スポーツ界のドーピングは意外と古いものです。古代ギリシャ時代(日本でいう縄文時代くらい)には、あぶった牛の骨髄のエキスを飲んだり、コカの葉を噛んだりと、天然由来の薬物をドーピング目的で用いていた記録が残っています。
競走馬のドーピング
19世紀に競走馬に対して、麻薬や興奮剤を用いたのが、近代のスポーツドーピングの始まりと言われています。
人間のドーピングの使用例・死亡例
使用例
・1865年アムステル運河水泳競技大会
死亡例
・1886年ボルドー・パリ間の600km自転車レース
(興奮剤トリメチルの過剰摂取)
第一次世界大戦で開発された薬物
第一次世界大戦で開発された薬物(興奮剤アンフェタミンなど)がスポーツ界で使用されるようになり、ドーピングが蔓延し出しました。
興味のある方はこちらをどうぞ
生化夜話 第42回:フェアプレイへの長い道 – ドーピングと検査の生化学
陸上競技連盟が興奮剤の使用を禁止
1928年に国際陸上競技連盟が興奮剤の使用を禁止しました。
その後、他の競技団体も追随していきます。
オリンピックでのドーピング使用での初の死亡
1960年のローマ オリンピック 自転車競技中に死亡
(興奮剤アンフェタミンを使用)
1966年、初めての世界大会でのドーピング検査
・国際自転車競技連合(UCI)
・国際サッカー連盟(FIFA)
オリンピック初のドーピング検査
1968年のグルノーブルオリンピック、メキシコオリンピック
アンチ・ドーピングの活動
アンチ・ドーピングとは
ドーピング行為に反対(antiアンチ)し、スポーツがスポーツとして成り立つための、教育・啓発や検査といった様々な活動のことです。
1999年にWADA、2001年にJADAが設立!
1999年に世界アンチ・ドーピング機関(World Anti-Doping Agency =WADA)が設立しました。
WADA設立までは、主に国際オリンピック委員会(IOC)が、ドーピングを取り締まっていました。こちらを、WADA設立により、IOCから、WADAへ移管されました。
そして、2000年のシドニーオリンピックから血液検査が導入されました。
2001年に日本アンチ・ドーピング機構(Japan Anti-Doping Agency=JADA)が設立しました。
2003年には、ドーピングを定義した世界基準の規範「世界ドーピング防止規定(WADAコード)」が採択されました。これにより、近代のアンチドーピングの基礎が整いました。
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